破綻した「FTX」って一体何?暗号資産(仮想通貨)取引所の役割を解説

皆さんはこのニュースをご存知でしょうか。

参照:『「FTX破綻」を解説…SBFとは誰か、FTXに何が起こったのか、仮想通貨業界にどんな影響があるのか』

近年何かと話題に上がる暗号資産ですが、ビットコインやリップル(XRP)の価格は常に変動するもので、過去には大暴落を経験もしています。しかし、今回はそんな暗号資産を取り扱う取引所が破綻したということでトレーダーたちの間で不安が広がっています。そこで今回は破綻した「FTX」に関してと取引所とは一体なんなのかについて解説していきます。

FTX とは

FTXとは個人から機関投資家まで、幅広い層に向けて暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームを運営している企業です。2019年に設立されたグローバル版「FTX.com」の現物市場は急成長を遂げ、2022年7月31日時点で一日の取引量は約2,200億円で市場21位、取引所スコアでは2位にランクインするほどです。2019年時点では香港に本社を構えていましたが、2021年9月にバハマへ移転させています。また、FTX Japan株式会社として日本に進出するなど、グローバルに活躍する暗号資産取引所の企業です。

【なぜ?】FTX 破綻

急成長を遂げていたFTXですが、現在は破綻にまで追い込まれる事態となっています。創業者サム・バンクマン-フリード氏(略してSBF)は、FTXが崩壊し、純資産の94%とCEOの肩書を失いました。経緯としては、Coindesk記者によるアラメダ・リサーチのバランスシートのリーク情報が端を発します。これにより財務状況に脆弱性があるのではないかと市場に不安が流れました。その後、バイナンスのCEOのCZ氏が「トークンをすべて売却する」とツイートをしたことで市場にさらに不安感が増し、FTTトークンは25ドルから5ドルまで大暴落する事態となります。FTTトークンの暴落後、バイナンスがFTX救済のために買収へと動きます。一時は合意しましたが、負債額が大きく最終的には撤退となりました。そしてサム・バンクマン-フリード氏は2022年11月11日にFTXグループの経営破綻を発表したという流れになります。まだまだ分析の余地はありますが、現時点で挙げられている破綻の原因は以下の二点です。

  • FTX元CEO、サム・バンクマン-フリード氏の経営悪手
  • FTXが顧客資産を不正流用し投資会社アラメダ・リサーチの支払や債務に当てていた

暗号資産取引所とは

こういった事件で暗号資産の取引所に対する見方も慎重になっています。そこで改めて暗号資産の取引所がどういった役割を担っているのかおさらいしておきましょう。

暗号資産取引所の役割

暗号資産の「取引所」の役割は、ユーザー同士が仮想通貨の売買を行う仲介をするところにあります。ユーザーは仮想通貨を買いたい場合、まずはこちらの希望価格で売ってくれるユーザーを見つける必要があります。この際の仲介役となるのが暗号資産の取引所です。このため、取引所売買では売買代金の他に、取引所へ払う仲介手数料が必要となるのです。

暗号資産販売所の役割

一方で、暗号資産の「販売所」というものもあります。こちらはユーザー(買い手)とコインチェックなどの仮想通貨取引所(売り手)が直接取引をする場所です。ユーザーはコインチェックなどの仮想通貨取引所が持っている仮想通貨を直接買うことになります。

この際の価格は、仮想通貨取引所が独自に決めています。

暗号資産取引所のメリット

暗号資産取引所のメリットは大きく二つです。一つは「手数料が安い」こと、もう一つは「成行注文・指値注文ができる」ことです。取引所では、仮想通貨を売りたい人と買いたい人が出会う場所なので、差額が少なく済みます。そのため手数料が安くて済みます。また、価格を決めないで注文することで、一番高く買い注文をした人と取引を結び、一番安く売り注文した人と売買できる成行注文が可能です。さらに自分が指定した価格で、その額になった時に取引が成立するという「指値注文」も可能です。

暗号資産取引所のデメリット

一方で、暗号資産取引所にはデメリットも存在します。大きくは三つです。一つ目は「取引できる銘柄が少ない」こと、二つ目は「初心者には難しい」こと、最後は「取引が成立しない可能性もある」ということです。

最後に

暗号資産の仲介を担っていた取引所の破綻により、トレーダーたちの間で不安が広がっていることでしょう。しかし、一番重要なのは自分の中で適切なリスクが取れるかどうかを判断することです。そうすれば万が一のことがあったとしても最悪にはならないことでしょう。

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